NPO法人 香川進空会について

模型飛行機、それもプラモデルの模型飛行機。それは1936年に英国のフロッグというライトプレーンメーカーが1/72スケールで英国の戦闘機や爆撃機を製作・発売したのが始まりと言われています。地政学的に不安定な時代、飛行機の敵味方識別教育に利用されたことも一因だとか。第二次大戦後、米国や欧州でそれはブームとなりました。米国では船や車もプラモデル化されました。

戦後の日本での歴史はと言うと昭和33年に日本最初のプラモデルを全国流通させたのが始まりと言われています。ただ、これらの製品は米国のプラモデルのコピー商品でした。その後ゼンマイ歩行する鉄人28号やゴジラなどのキャラクターモデルの玩具としての性格が強いプラモデルが主流になりました。その後1/12スケールのホンダF1などの実車の忠実な再現を目指したモデルや戦車や戦闘機のプラモデル、また一大ブームとなったガンダムシリーズとプラモデルは昭和の時代は一世を風靡した商品となりました。

プラモデルが発売されてからというもの、子供達は小遣いを貯めて安価なプラモデルを「模型屋」で求めていました。その「模型屋」も今は殆ど姿を見ないというプラモデル離れが現実となっております。

当時は、同じプラモデルでも自らの手で作ることで創造する楽しみを覚え、創意工夫次第で完成したプラモデルがみんなと違う完成度の自慢をしたりもした時代でした。ところが豊かな時代に入り、玩具でも完成品が楽に買えるようになりました。プラモデルなどの組み立てキットも市場には流通していますが、「今の若い子」はプラモデルさえ作れない子供たちが多くなりました。家庭にはテレビゲームが氾濫し、ゲームに夢中になりプラモデルに見向きもしない子供たち。まさに想像力に乏しい子供達があふれてきています。じゃあプラモデルは誰が?そう昭和の時代に元気だった子供達、今の大人達が作るのが主流です。モノを作る、創造する喜びを無くした子供達に、プラモデルを通して創意工夫と創造する喜びの場を提供する為、個人団体としての「香川進空会」では定期的な飛行機モデルを中心としたプラモデル完成作品の展示会を隔年行ってきました。しかし展示会に立ち寄ってくれるのは大半が大人達。父親や友達と一緒に足を運んでくれた子供達は作り方さえ解らない状態です。過去には香南歴史民俗郷土館で親子プラモデル教室を数回開催、二宮忠八飛行館でもプラモデル教室やプラモデル飛行機の常設展示などの活動を行ってきました。これからもプラモデル教室や展示会、常設展示などの活動は行う予定です。

しかしこのような活動を行うにあたって、数少ない会員だけではプラモデル教室や展示会を行う会場費の捻出にも限界があります。また子供達にプラモデルを通してのモノづくりを経験してもらうにも社会的信用を得て幅広く活動していくためにも法人化は急務であると考えます。ただし、この会はすべての会員がボランティアとして参加し、事業目的も営利を目的とはしていないので特定非営利活動法人の形での設立が望ましいと考えています。

皆様の幅広いご参加、ご支援をお願いいたします。

 1人でも多くの子供達にプラモデル作りで創造する喜びを体験してもらう。プラモデルの完成品の展示を通して創意工夫次第で完成品の仕上がりが変わってくる。もっと多くの人達に「絶滅危惧種」とまでは言わないがプラモデルの製作を通して、自分の作ったプラモデルの出来上がった時の感動や楽しみを味わって欲しいと会員全員が思っています。さらに活動規模を大きくしてもっと多くの子供達や大人達にプラモデルの創造や創意工夫を味わってもらおうと思っていますが、任意団体としての活動ではプラモデル教室の開催や展示会の開催の会場費に個人の負担が大きく、幅広く寄付やボランティアを受け入れられる体制を整えたいということで特定非営利活動法人への法人化を検討し始めました。令和5年1月28日に当会で法人化に向けた趣旨を伝え参加者全員一致で賛同していただけました。

令和5年4月1日

特定非営利活動法人 香川進空会                                                                         理事長 氏名 高橋 章